トム ド サヴォワ
フランスのサヴォワ地方で造られている、
山のチーズらしい素朴さを持つハードタイプチーズ(非加熱圧搾)。
周りを覆う分厚いグレーのカビがサヴォワの「トム」の特徴で、熟成と共に、自然な黄、赤、茶色などのカビが混在するようになります。
(「トム」とはポーション(ひとかたまり)の意味)
牧草のような独特の香りを持ち、素朴さの中にナッツのような香りが混ざる、さっぱりとした印象ながら深い味わいのチーズです。
今回いただいたのは、「パカール社」熟成の農家製のもの。
分厚く樹皮のような表皮に、淡い黄色でぽってりとした印象の中身には、所々に小さな穴があいています。
草刈りをしているときのような青臭い香りで、
ナッティーなコクが強くまったりとしており、キャラメルのような苦みも感じられます。
「素朴」とうたわれているだけあり、ややもすると野暮ったい印象を受けるチーズですが、あっさりとしたプロセスチーズを食べ慣れている日本人には馴染みやすい味だと思いました。