エメンタール
「トムとジェリー」でおなじみの、中に丸い穴がポコポコと開いている姿が可愛らしいスイスのハードタイプチーズ。
「チーズの王様」と呼ばれることもある、エメンタール地方で造られている世界有数の大型チーズで、1 個造るために約 100 Lの牛乳が必要です。
乳牛の飼料は牧草と干し草が中心(遺伝子組み換えでない飼料穀物も使えます)。
集乳範囲は 30 ㎞以内、搾乳後 24 時間以内に製造を開始するという決まりがあります。
特徴の丸い穴は「チーズアイ」と呼ばれ、これは製造工程でスターターとして加えるプロビオン菌が高温熟成中に出す炭酸ガスが、エメンタール特有の緻密で弾力性のある生地の中に閉じ込められてできたものとされています。
かすかに甘みが残る淡白な風味で用途が広く、特にチーズフォンデュには欠かすことのできないチーズです。
さて、実際に食べた私の率直な感想としては
「あまり美味しいチーズではないな」でした (笑) 。
ヨーグルトのような酸味を帯びた香りで、弾力がありややむっちりとした生地。
アーモンドのようなナッティーな感じが強く、独特の渋みのある素朴で野性的な味。
そのまま食べるには少しパッとしない印象でした。
それが、チーズトーストにしてみたところ印象ががらりと変わりました!
熱を加えることで旨味が格段にアップし、特有のシコシコとした弾力を残した、よく伸びるチーズに変わったのです!!
この、「伸びる」というのは、他のチーズによくみられる「トロリ」としたとろけるような感じではなく、しっかりとした食感が残っており、ナッティーな感じと相まってとても重厚感があります。
風味が穏やかなので、他のチーズといくつか合わせたチーズトーストにしたらさらに美味しいのではないかと思います。
そのまま食べるよりも、加工したり、なにかと合わせることでその美味しさを発揮するチーズです。