オッソ― イラティ
ベアルン地方のオッソーの谷と、バスク地方のイラティの森にその名の由来を持つ羊乳を使用したハードチーズ(非加熱圧搾タイプ)。
ピレネー山脈西側部分では羊乳を用いたチーズ造りが少なくとも中世から行われており、現在のオッソー・イラティに近いチーズもこの時代に造られていたようです。
使用する羊乳は、バスコ・ベアルネーズ種、マネシュ・テット・ノワール種、マネシュ・テット・ルース種に限定されており、9 月~10 月にかけての搾乳も禁止されています。
また、夏季に山で放牧した羊の無殺菌乳を用いて山のチーズ小屋で造られたものは「エスティーヴ Estive」と表記できます。
オッソー イラティは、羊乳の濃厚な旨みとバターのようなコク、蜂蜜を思わせる甘みを持ち、特に、熟成が進んで白いアミノ酸結晶がみられるものは絶品です。
そのままでも美味しいのですが、ダークチェリーや蜂蜜をつけていただくのがのが伝統的な食べ方とされています。
これだけ見ていると、くせがなくとても食べやすそうですが(実際、食べやすいと紹介されています)、実際に食べてみた私の印象は大きく違っていました。
まず驚いたのが、鰹節を思わせるような強烈な香り。
そして、口に入れた瞬間に旨みがぶわっと広がる華やかな味わい。
やはりどこか煮干しのような、魚を思わせる熟成された旨みを感じました。
私としては、香りにややくせがあり、表面にべたつきもあるため、好みの分かれるチーズだと感じました。
しかし、それ以上に、強烈な旨みのある美味しいチーズであることも確かです。
伝統にのっとって蜂蜜を垂らして食べたら、ほくほくとした食感も相まって、それはもう絶品でした!!
やはり、調べるだけではなく、食べてみないことにはわからないものだと気づかされたチーズでした。